【整形外科専門医が解説】ジャンパー膝とは?膝のお皿の下が痛む原因と治療法
「ジャンプをすると膝のお皿の下が痛い」
「バスケットボールやバレーボールの練習後に膝が痛む」
「運動を始めると痛いけれど、身体が温まると少し楽になる」
このような症状でお悩みではありませんか?
その痛みは『ジャンパー膝(膝蓋腱症、膝蓋骨腱障害)』かもしれません。
ジャンパー膝は、ジャンプや着地を繰り返すスポーツ選手に多くみられる膝の障害です。特に中学生・高校生など、活発にスポーツをする年代でも発症します。
今回は、ジャンパー膝の原因や症状、オスグッド病との違い、整形外科での治療法について分かりやすく解説します。
目次
〇ジャンパー膝とは?
〇ジャンパー膝の原因
〇こんな症状はありませんか?
〇オスグッド病との違い
〇整形外科で行う診断と検査
〇ジャンパー膝の治療方法
〇スポーツを続けても大丈夫?
〇教えて先生!よくあるQ&A
〇まとめ・受診のすすめ
ジャンパー膝とは?
ジャンパー膝とは、膝のお皿(膝蓋骨)とすねの骨をつなぐ『膝蓋腱(しつがいけん)』に、繰り返し負担がかかることで生じるスポーツ障害です。
病態の中心が腱の変性や微細損傷であり、炎症性のお病気ではないため、最近では『膝蓋腱症や膝蓋腱障害』と呼ばれ、以前はよく『膝蓋腱炎』と言われていました。
原因としては、ジャンプや着地などの動作を繰り返すことで、膝蓋腱に微細な損傷や変性が生じ、痛みが発生すると考えられています。
特に膝のお皿のすぐ下に痛みが出ることが多いのが特徴です。
ジャンパー膝の原因とは?
ジャンパー膝の主な原因は、膝蓋腱に繰り返し加わる大きな負荷です。
特に次のような要因が関係します。
〇バスケットボールやバレーボールなどのジャンプ動作
〇サッカーや陸上競技でのダッシュや急停止
〇練習時間や運動量の急激な増加
〇太ももの筋力や柔軟性の問題
〇股関節や足関節の動きの制限
〇ジャンプや着地動作による膝への負担
スポーツの練習量だけでなく、身体の使い方や筋力のバランスなども関係します。
こんな症状はありませんか?セルフチェック
ジャンパー膝では、次のような症状がみられます。
〇膝のお皿のすぐ下が痛い
〇ジャンプや着地で痛みが出る
〇ダッシュや急停止で膝が痛む
〇階段の上り下りで痛みが出る
〇しゃがむと膝が痛い
〇運動後に痛みが強くなる
〇膝のお皿の下を押すと痛い
初期には運動開始時だけ痛みが出て、身体が温まると軽くなることもあります。
しかし、症状が進むと運動中も痛みが続き、日常生活に支障が出る場合があります。
オスグッド病との違いは?
ジャンパー膝とオスグッド病は、どちらも膝のお皿の下に痛みが出るため、混同されることがあります。
ジャンパー膝
主に膝蓋腱そのものに負担がかかることで生じます。
痛みは『膝のお皿のすぐ下』にみられることが多く、中学生・高校生から成人のスポーツ選手にも発症します。
オスグッド病
成長期に膝蓋腱が付着する『脛骨粗面(けいこつそめん)』という骨の部分に繰り返し負担がかかることで生じます。
膝のお皿より少し下の、すねの骨の出っ張りに痛みや腫れが生じるのが特徴です。
特に小学校高学年から中学生に多くみられます。
両者は治療方針や運動制限の考え方が異なる場合があるため、正確な診断が大切です。
整形外科で行う診断と検査
問診・身体診察
痛みの場所や発症時期、スポーツの種類、練習時間などを確認します。
また、膝蓋腱の圧痛や膝の動き、ジャンプ・着地動作などを評価します。
レントゲン・超音波検査
レントゲンでは骨の異常や、成長期特有の骨端症などがないかを確認します。
超音波(エコー)検査では、膝蓋腱の厚さや内部の変化、血流の増加などを確認できる場合があります。
症状が長引く場合や他の疾患が疑われる場合には、MRI検査を検討することもあります。
ジャンパー膝の治療方法
ジャンパー膝の治療は、手術を行わない『保存療法』が基本です。
① 運動量の調整
痛みが強い時期には、ジャンプやダッシュなど膝に負担がかかる動作を減らします。
完全に運動を禁止するのではなく、症状に合わせて負荷を調整することが重要です。
② 運動器リハビリテーション
ジャンパー膝では、膝蓋腱に適切な負荷をかけながら、段階的に筋力や腱の耐久性を高めていく運動療法が重要です。
太ももの前側やふくらはぎのストレッチを行い、膝や足関節の柔軟性を改善します。特に、足首を上に曲げる「背屈(はいくつ)」の動きが制限されている場合には、ふくらはぎの柔軟性を高めることが大切です。
また、症状に応じて片脚スクワットなどの段階的な筋力トレーニングを行い、ジャンプや着地時の身体の使い方も確認します。重心の位置や膝への負担を評価し、一人ひとりに適した動作指導を行います。
③ アイシング・装具療法
運動後の痛みを和らげるために、短時間のアイシングを行うことがあります。
④ その他の治療
症状が長期間続く場合には、治療内容の見直しや追加検査を検討します。
なお、膝蓋腱へのステロイド注射は腱の損傷や断裂のリスクがあるため、一般的には慎重な対応が必要です。
スポーツは続けても大丈夫?
ジャンパー膝になったからといって、必ずしもすべてのスポーツを中止する必要はありません。
ただし、痛みを我慢して高い負荷の練習を続けると、症状が長期化する可能性があります。
運動を続ける際には、
スポーツを続ける際には、次の点が大切です。
〇運動中に痛みが強くならないこと
〇翌日に痛みが悪化していないこと
〇日常生活に支障がないこと
〇医師や理学療法士と相談しながら運動負荷を調整すること
ことが大切です。
痛みが強い場合や歩行にも支障がある場合には、練習を一時的に休むことも必要です。
教えて先生!よくあるQ&A
Q1. ジャンパー膝は自然に治りますか?
- 運動量の調整などによって改善する場合もありますが、負担が続くと痛みが長期化することがあります。適切な運動療法を行うことが大切です。
Q2. ジャンパー膝でも部活動を続けられますか?
- 症状の程度によっては続けられる場合もあります。ただし、痛みを我慢して練習するのではなく、運動量や練習内容を調整することが重要です。
Q3. ストレッチだけで治りますか?
- ストレッチは治療の一つですが、それだけでは十分でない場合があります。膝蓋腱に適切な負荷をかける筋力トレーニングなどを組み合わせることが大切です。
まとめ・受診のすすめ
ジャンパー膝は、ジャンプや着地を繰り返すスポーツ選手に多くみられる膝の障害です。
特にバスケットボールやバレーボール、サッカーなどを行う中学生・高校生にも発症することがあります。
「練習すれば痛みがなくなるから大丈夫」と我慢していると、症状が長引き、大好きなスポーツを続けることが難しくなる場合もあります。
当院では、診察や必要に応じた画像検査に加え、運動器リハビリテーションを通じて、膝への負担を調整しながらスポーツへの復帰をサポートしています。
膝のお皿の下に痛みが続く場合には、無理をせず早めにご相談ください。
『延ばそう健康寿命、広げよう笑顔の環』
東海市・大府市・知多市・常滑市・東浦町・阿久比町・名古屋市南区周辺で、ジャンパー膝やスポーツによる膝の痛みにお悩みの方は、かのう整形外科へお気軽にご相談ください。
当院へのアクセス案内
■ 東海市方面からお越しの方
- 公共交通機関(コミュニティバス)が便利です
東海市循環バス「らんらんバス」にご乗車いただき、「伏見四丁目」バス停でお降りください。バス停からは徒歩約1〜2分とすぐ目の前ですので、歩行に不安がある方でも安心してご来院いただけます。
(※詳細な路線図については、こちらをご参照ください:東海市「らんらんバス」全体路線図PDF)
- 電車・タクシーをご利用の方
名鉄河和線「高横須賀駅」よりタクシーで約6分です。駅から徒歩で向かうと関節に負担がかかる距離ですので、無理をせず駅からはタクシーをご利用ください。
■ 大府市方面からお越しの方
- お車でのご来院(ご家族の送迎など)
知多半島道路「大府東海IC」から車でわずか約5分と、大府市内からのアクセスは非常にスムーズです。敷地内には29台分の広々とした駐車場があり、雨に濡れずにゆっくり乗り降りできる屋根付きスペースも完備しています。杖をご利用の方や、ご家族による送迎時も安心してお越しいただけます。
- 公共交通機関・タクシーをご利用の方
大府市から電車でお越しの場合、JR線から名鉄線への乗り換えが発生し、駅構内での歩行距離が長くなってしまいます。痛みを我慢して電車を乗り継ぐことは症状の悪化につながる恐れがあるため、当院としては「JR大府駅」から直接タクシー(乗車時間:約15〜20分)をご利用いただくことをおすすめしております。お身体の負担を最小限に抑えるルートでお越しください。

この記事の著者・監修者
院長 整形外科専門医
[加納 潤 JUN KANO]
【読者の皆さまへ】 「地域の皆さまの身近な『かかりつけ医』として、お身体の痛みに根本から向き合います。このブログでは、日々の生活で実践できるセルフケアや、整形外科の正しい知識を分かりやすくお届けしています。」
- 専門・得意な治療分野
- 整形外科一般、膝・股関節疾患
- 主な経歴
- 2014年:岩手医科大学 卒業
- 2014年〜:社会医療法人河北医療財団 河北総合病院
- 2017年〜:社会福祉法人 仁生社 江戸川病院
- 2021年〜:社会医療法人大雄会 総合大雄会病院
- 2024年〜:かのう整形外科 開院
- 資格・所属学会
- 日本整形外科学会専門医
- 日本整形外科学会認定 運動器リハビリテーション医
- 日本整形外科学会認定 リウマチ医
- 日本整形外科学会認定 スポーツ医
- 日本内科学会認定 内科医
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