骨粗しょう症について
加齢とともに増加する骨折は
早期治療・早期予防を
心掛けましょう
骨粗鬆症とは骨量(骨密度)が減る、または骨の質が低下することで骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気のことを指します。超高齢化社会である日本には1000万人を超える方が骨粗鬆症を患っているといわれています。また多くの方は自覚なく、骨折するまで気付かない恐ろしい病気でもあります。骨折すると、入院や介護が必要になることが多く、健康寿命を延ばすためにも早期発見、早期治療がとにかく重要です。以前より骨粗鬆症の治療は著しく発展してきております。また、当院では特に骨折のしやすい腰(こし)と大腿骨(太ももの付け根)を同じ姿勢で10分ほど寝ているだけで検査(デキサ法)することができますので、お気軽に相談して下さい。
このような場合はご相談ください
- 頻繁に骨折をするようになった
- 身長が縮んだ
- 足元がおぼつかなくなった
- 階段の上り下りができなくなった
骨粗しょう症の病態
骨は新たに作られること(骨形成)と溶かして壊されること(骨吸収)を繰り返しています。これはリモデリングといい、周期は3~6カ月といわれております。骨粗鬆症は、このバランスが崩れることでおこり、骨がもろくなっていきます。
骨粗しょう症の原因
主な原因
- 加齢
- 運動不足
- カルシウムやビタミンDなどの栄養不足
- ホルモンの変化
骨粗鬆症は圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や老化と関わりが深いと考えられています。
骨粗しょう症の症状
主な症状
骨粗しょう症は骨がもろくなる疾患ですが、発症初期は痛みもなく自覚症状がほとんどありません。
特に背骨の骨折は気づきにくく、知らないうちに症状が進行している場合もあります。
先生からのひと言
加齢や運動不足、食生活の乱れ等の理由により骨密度が低下した状態を、骨粗鬆症といいます。これにより骨がもろくなった結果、簡単に骨折してしまうことがあります。
女性の閉経後は、著明に骨密度が低下すると言われており、特に注意が必要です。高齢者の頻度の高い骨折として挙げられる、高齢者4大骨折というものがあります。中には入院や手術が必要となる場合もあり、患者さんの健康寿命に大きく関わってきます。
骨粗鬆症が進行すると、座ったときなどの軽い衝撃や、加重によっても骨折し急な腰痛を引き起こすようになります。
また痛みがない場合でも、猫背のような見た目になる亀背(きはい)の原因にもなり、これにより胃が圧迫され、胸焼けや食欲不振を引き起こすことがあります。
自覚症状が無くても、40才頃から定期的な骨密度検査と適切な治療を行うことが大切です。
健康寿命延伸のためにも、お気軽にご相談下さい。
主な治療法
注射
骨密度を測定し、適応であれば注射がおすすめです。注射できる治療期間には2年程度の制限があり、以降は飲み薬による治療をおすすめしています。
飲み薬の治療
骨をつよくする飲み薬や女性ホルモン系に働きかける飲み薬があります。
理学療法
運動や外部からの刺激で骨の成長を促します。散歩なども効果的で、継続的な治療が必要になります。散歩は1日6,000〜8,000歩を目標にし、少ない場合は3,000歩(約30分)程度をおすすめしています。
食事療法
カルシウムやビタミンDが重要と言われております。食事に関してもお気軽にご相談ください。
ロコモティブシンドロームとは
おからだの障害により移動が困難になり、要介護あるいは要介護になるリスクが高い状態と定義されます。
原因としては、骨粗鬆症、筋力低下、変形性関節症があります。以下に一つでも該当すればロコモの疑いになります。