骨粗鬆症の治療中に抜歯しても大丈夫?【整形外科専門医が解説】骨の薬と歯科治療の重要な関係
「骨粗鬆症のお薬を飲んでいたら、歯医者さんで『何のお薬ですか?』と詳しく聞かれた」
「歯を抜きたいけれど、骨の薬を飲んでいるから治療できないと言われたらどうしよう…」
そんな不安を感じたことはありませんか?
こんにちは。東海市・大府市エリアの「かのう整形外科」院長の加納潤です。
私は日々の診療で患者さんに「病気じゃないからOK、痛みがなくなったから終わりではなく、自ら『健康を育てる』意識を持ちましょう」とお伝えしています。骨を強く保つことも、自分の歯で美味しく食事をすることも、どちらも「健康を育てる」ために欠かせない大切な要素です。
今回は、意外と知られていない「骨粗鬆症のお薬と歯科治療の関係」について、専門医の視点から分かりやすく解説します。
1. なぜ骨の薬と「歯」が関係するの?
骨粗鬆症の治療では、骨が脆くなるのを防ぐために「骨吸収抑制薬」というタイプのお薬がよく使われます。代表的なものにビスホスホネート製剤やデノスマブなどがあります。これらは骨折を防ぐ非常に優れたお薬ですが、歯科治療と少し特別な関係があります。
「あごの骨」に影響が出ることがある
ごく稀(1万に1~5人程度)ですが、これらのお薬を服用している方が抜歯やインプラントなどの骨に達する処置を受けたり、お口の中の衛生状態が悪かったりすると、あごの骨に傷がついて炎症を起こす「薬剤関連顎骨壊死」という症状を引き起こすことがあります。
これはお薬の効果で骨の代謝が抑えられているため、傷ついたあごの骨の修復が遅れてしまうことが原因と考えられています。
2. 自分の判断でお薬をやめるのは絶対NG!
「じゃあ、歯医者に行くときは骨の薬をやめればいいの?」と思われるかもしれません。しかし、絶対に自己判断で休薬しないでください。
お薬を勝手にやめてしまうと骨密度が急激に低下し、太ももの付け根の骨や背骨を骨折するリスクが跳ね上がってしまいます。
現在では、専門学会のガイドラインでも「原則として骨粗鬆症のお薬を休薬せずに歯科治療を行う」ことが推奨されています。リスクを正しく管理すれば、お薬を続けながら安全に歯の治療を受けることは十分に可能です。
3. 当院で行う「健康を育てる」医科歯科連携
当院では、骨粗鬆症の治療と患者さんのお口の健康を両立させるために、近隣の歯科医院と連携を取っています。
- 治療開始前のチェック: これから骨粗鬆症の治療を始める方には、事前に歯科を受診し、歯周病の治療や予防を強く推奨しています。口腔ケアは骨粗鬆症の治療にも影響しますが、健康寿命に深く影響しています。
- 対話と情報共有: 歯科で抜歯などの処置が必要になった場合は、当院から歯科医師へ処方内容やリスクレベルについての情報交換を行い、スムーズに連携します。
「痛みを予防する」だけでなく、整形外科と歯科が協力して患者さんの将来の健康を総合的に守っていきます。
4. 教えて専門医の先生!よくあるQ&A
Q1. 骨粗鬆症の治療中に抜歯はできませんか?
- 適切な連携と準備を行えば、抜歯は可能です。
「骨の薬を飲んでいる=抜歯ができない」というわけではありません。お口の中を清潔に保ち、整形外科の主治医と歯科医師が正しく情報共有を行っていれば、安全に抜歯を行うことができます。受診時には必ず「お薬手帳」を歯科医師に見せるようにしてください。
Q2. 骨粗鬆症の治療と歯医者の治療はどちらを先にするべき?
- 理想は「歯科治療を先に行う」、あるいは「並行して進める」ことです。
骨粗鬆症のお薬を飲み始める前に、虫歯や歯周病の治療、お口のクリーニングを済ませておくと、あごの骨のトラブルが起きるリスクを極めて小さくできます。ただ、骨折のリスクが高い場合は骨粗鬆症の治療を優先・並行することもありますので、双方の医師にご相談ください。
Q3. 骨粗鬆症の薬は歯に影響がありますか?
- 「歯そのもの」ではなく、「歯を支えるあごの骨」に影響を与えることがあります。
骨粗鬆症のお薬で歯が溶けたり弱くなったりすることはありません。ただし、抜歯などで「あごの骨」に負担がかかった際、お薬の作用で骨の傷の治りが遅くなり、稀に炎症を起こしてしまうことがあります。そのため、普段からお口の中を清潔にしておくことが大切です。
5. まとめ・受診のすすめ
骨粗鬆症の治療も、お口のケアも、どちらもあなたの「これからの健康な人生」を支える大切な柱です。
「歯医者に行きたいけれど、骨の薬を飲んでいるから不安…」という方は、どうぞご安心ください。当院では患者さんが安心して治療を続けられるよう、しっかりサポートいたします。
少しでも気になることや不安がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの「健康を育てる」ための一歩を、私たちが全力で応援します。
当院へのアクセス案内
■ 東海市方面からお越しの方
- 公共交通機関(コミュニティバス)が便利です
東海市循環バス「らんらんバス」にご乗車いただき、「伏見四丁目」バス停でお降りください。バス停からは徒歩約1〜2分とすぐ目の前ですので、歩行に不安がある方でも安心してご来院いただけます。
(※詳細な路線図については、こちらをご参照ください:東海市「らんらんバス」全体路線図PDF))
- 電車・タクシーをご利用の方
名鉄河和線「高横須賀駅」よりタクシーで約6分です。駅から徒歩で向かうと関節に負担がかかる距離ですので、無理をせず駅からはタクシーをご利用ください。
■ 大府市方面からお越しの方
- お車でのご来院(ご家族の送迎など)
知多半島道路「大府東海IC」から車でわずか約5分と、大府市内からのアクセスは非常にスムーズです。敷地内には29台分の広々とした駐車場があり、雨に濡れずにゆっくり乗り降りできる屋根付きスペースも完備しています。杖をご利用の方や、ご家族による送迎時も安心してお越しいただけます。
- 公共交通機関・タクシーをご利用の方
大府市から電車でお越しの場合、JR線から名鉄線への乗り換えが発生し、駅構内での歩行距離が長くなってしまいます。痛みを我慢して電車を乗り継ぐことは症状の悪化につながる恐れがあるため、当院としては「JR大府駅」から直接タクシー(乗車時間:約15〜20分)をご利用いただくことをおすすめしております。お身体の負担を最小限に抑えるルートでお越しください。
東海市・大府市周辺で股関節や膝の痛みにお悩みの方は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。

この記事の著者・監修者
院長 整形外科専門医
[加納 潤 JUN KANO]
【読者の皆さまへ】 「地域の皆さまの身近な『かかりつけ医』として、お身体の痛みに根本から向き合います。このブログでは、日々の生活で実践できるセルフケアや、整形外科の正しい知識を分かりやすくお届けしています。」
- 専門・得意な治療分野
- 整形外科一般、膝・股関節疾患
- 主な経歴
- 2014年:岩手医科大学 卒業
- 2014年〜:社会医療法人河北医療財団 河北総合病院
- 2017年〜:社会福祉法人 仁生社 江戸川病院
- 2021年〜:社会医療法人大雄会 総合大雄会病院
- 2024年〜:かのう整形外科 開院
- 資格・所属学会
- 日本整形外科学会専門医
- 日本整形外科学会認定 運動器リハビリテーション医
- 日本整形外科学会認定 リウマチ医
- 日本整形外科学会認定 スポーツ医
- 日本内科学会認定 内科医
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