股関節の違和感は「変形性股関節症」のサイン?【整形外科専門医が解説】「健康を育てる」ための初期症状と治療法
「最近、階段の上り下りで股関節がズキッとする」
「靴下を履く動作が以前よりスムーズにいかない」
そんな違和感を、年齢のせいにして見過ごしていませんか?
こんにちは。東海市・大府市エリアの「かのう整形外科」院長の加納潤です。今回は、50代から70代の方に多く見られる股関節の痛みの原因と、未来の自分のために「健康を育てる」第一歩としての早期受診の重要性について、専門医の視点から分かりやすく解説します。
私は日々の診療の中で、医師として患者さんに必ずお伝えしていることがあります。それは、「病気じゃないからOK、痛みがなくなったから終わり、ではなく、自ら『健康を育てる』意識を持ちましょう」ということです。
股関節は、歩く、立つ、座るといった日常動作のすべてを支える「要(かなめ)」です。ここをかばって生活していると、全身のバランスが崩れ、本当の意味での健康からは遠ざかってしまいます。
目次
- 股関節の痛みの主な原因とメカニズム
- あなたの股関節は大丈夫?専門医によるセルフチェックリスト
- 放置は禁物。変形性股関節症が進むとどうなる?
- 当院で行う「健康を育てる」ための診断と治療プロセス
- 日常生活でできる改善・予防のポイント
- 教えて専門医の先生!よくあるQ&A
- まとめ・受診のすすめ(当院へのアクセス案内)
1. 股関節の痛みの主な原因とメカニズム
中高年の方の股関節の痛みの原因として、専門医の立場から最も多く診断するのが「変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)」です。
軟骨のすり減りが痛みの正体
股関節は、骨盤のくぼみ(臼蓋)に太ももの骨(大腿骨)の頭がはまり込む構造をしています。骨の表面は滑らかな「軟骨」で覆われており、これがクッションの役割を果たしています。
しかし、長年の使用や加齢、骨の形状のわずかな不適合により軟骨がすり減ると、骨同士が直接ぶつかったり、周囲に炎症が起きたりして痛みが生じます。この「痛み」こそが、身体からのSOSサインなのだと医師として強くお伝えしています。
2. あなたの股関節は大丈夫?専門医によるセルフチェックリスト
医師が実際の診察でも重視しているポイントをもとに、ご自身の今の状態を確認してみましょう。以下の項目に1つでも当てはまる場合は注意が必要です。
- 立ち上がる時や歩き始めに、足の付け根(股関節)が痛む。
- 階段の上り下り、特に「下り」で股関節に不安を感じる。
- 靴下を履く、爪を切る、といった「股関節を深く曲げる動作」が辛い。
- 長時間歩いた翌日に、股関節付近が重だるい、または熱感がある。
- 左右の足の長さに違いがあるように感じる。
3. 放置は禁物。変形性股関節症が進むとどうなる?
「まだ我慢できるから」と痛みを放置することは、「健康を育てる」ことの対極にあります。
- 痛みの連鎖: 股関節をかばって歩くことで、腰や膝にも過度な負担がかかり、全身の機能が低下します。
- 可動域の制限: 関節が硬くなり、あぐらがかけないなど、生活の質(QOL)が著しく低下します。
- 末期症状: 軟骨が完全になくなると、夜寝ていても痛むようになり、最終的には人工関節置換術などの手術を選択せざるを得なくなります。
しかし、早期に適切なアプローチができれば、手術をせずに保存療法で痛みをコントロールし、自分の足で元気に歩き続けることが十分に可能です。多くの患者さんを診てきた医師として、これだけは確信を持って言えます。
4. 当院で行う「健康を育てる」ための診断と治療プロセス
当院では、整形外科専門医による的確な診断のもと、「マイナス(痛み)をゼロにする」だけでなく、「プラス(より健康な状態)へ導く」ための最適な治療計画を提案しています。
診断(正しく自分の状態を知る)
レントゲン検査で骨の状態を確認し、必要に応じて超音波(エコー)検査で炎症の程度や筋肉の状態を、院長である私がリアルタイムで詳しく診察・診断します。自分の身体を知ることが、健康づくりの第一歩です。
治療(痛みを抑え、機能を守る)
- 保存療法(薬物療法): まずは医師の処方による内服薬や外用薬で炎症を抑え、「痛みの悪循環」を断ち切ります。
- リハビリテーション: 専門の理学療法士が、医師の指示・連携のもとで、骨盤を前に倒したり、股関節周辺の筋力を鍛えるトレーニングを指導します。「自ら動かして治す」という前向きな身体づくりをサポートします。
- 注射療法: 関節内の動きをスムーズにするヒアルロン酸注射などを、安全かつ的確に行います。
5. 日常生活でできる改善・予防のポイント
クリニックでの治療に加えて、医師のアドバイスのもと、ご自身で「健康を育てる」習慣を身につけることが何より大切です。
- 体重管理: 体重が1kg減るだけで、歩行時に股関節にかかる負担は3〜4kg軽減されます。栄養バランスを見直し、健康的な身体づくりを意識しましょう。
- 生活様式の工夫: 和式から洋式(ベッドや椅子での生活)へ切り替え、関節への過度な負担を減らしつつ、安全に動ける環境を整えます。
- 水中ウォーキング: 浮力を利用することで、関節をいたわりながら全身の筋肉を育てることができます。
6. 教えて専門医の先生!よくあるQ&A
Q1. 「変形性股関節症」と言われましたが、もう歩かないほうが良いのでしょうか?
- 逆です。痛いからといって動かさないと筋肉が衰え、かえって悪化を招きます。「痛みの出ない範囲で、正しく動かして筋肉を育てること」が重要です。当院で負担の少ない歩き方を一緒に練習しましょう。
Q2. 湿布を貼っていれば治りますか?
- 湿布は一時的に痛みを抑えるもので、根本的な解決にはなりません。痛みをごまかしている間に症状が進んでしまうケースが多いため、まずは専門医による正しい診断を受け、根本から健康を見直すことをおすすめします。
Q3. 家族に股関節が悪い人がいるのですが、遺伝しますか?
- 「骨の形状(臼蓋が浅いなど)」が遺伝しやすく、特に女性に多い傾向があります。ご家族に経験者がいる場合は、違和感が出た段階で早めにチェックし、予防的なケア(健康づくり)を始めるチャンスと捉えてください。
7. まとめ・受診のすすめ
股関節の痛みは、あなたのこれまでの頑張りの証です。しかし、それを放置して行動範囲が狭まってしまうのは、本当にもったいないことです。
「病気じゃないから大丈夫」と痛みを我慢するのではなく、「もっと健康になって、毎日を楽しもう」という前向きな気持ちで、ご自身の身体と向き合ってみませんか?
早期に適切なケアを始めれば、大好きな旅行や趣味、お孫さんとのお出かけも、これからもずっと楽しむことができます。少しでも不安を感じたら、まずは整形外科の専門知識を持つ当院の医師・スタッフへお気軽にご相談ください。あなたの「健康を育てる」サポートを全力で行います。
当院へのアクセス案内
■ 東海市方面からお越しの方
- 公共交通機関(コミュニティバス)が便利です
東海市循環バス「らんらんバス」にご乗車いただき、「伏見四丁目」バス停でお降りください。バス停からは徒歩約1〜2分とすぐ目の前ですので、歩行に不安がある方でも安心してご来院いただけます。
(※詳細な路線図については、こちらをご参照ください:東海市「らんらんバス」全体路線図PDF))
- 電車・タクシーをご利用の方
名鉄河和線「高横須賀駅」よりタクシーで約6分です。駅から徒歩で向かうと関節に負担がかかる距離ですので、無理をせず駅からはタクシーをご利用ください。
■ 大府市方面からお越しの方
- お車でのご来院(ご家族の送迎など)
知多半島道路「大府東海IC」から車でわずか約5分と、大府市内からのアクセスは非常にスムーズです。敷地内には29台分の広々とした駐車場があり、雨に濡れずにゆっくり乗り降りできる屋根付きスペースも完備しています。杖をご利用の方や、ご家族による送迎時も安心してお越しいただけます。
- 公共交通機関・タクシーをご利用の方
大府市から電車でお越しの場合、JR線から名鉄線への乗り換えが発生し、駅構内での歩行距離が長くなってしまいます。痛みを我慢して電車を乗り継ぐことは症状の悪化につながる恐れがあるため、当院としては「JR大府駅」から直接タクシー(乗車時間:約15〜20分)をご利用いただくことをおすすめしております。お身体の負担を最小限に抑えるルートでお越しください。
東海市・大府市周辺で股関節や膝の痛みにお悩みの方は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。
この記事の著者・監修者
院長 整形外科専門医
[加納 潤 JUN KANO]
【読者の皆さまへ】 「地域の皆さまの身近な『かかりつけ医』として、お身体の痛みに根本から向き合います。このブログでは、日々の生活で実践できるセルフケアや、整形外科の正しい知識を分かりやすくお届けしています。」
- 専門・得意な治療分野
- 整形外科一般、膝・股関節疾患
- 主な経歴
- 2014年:岩手医科大学 卒業
- 2014年〜:社会医療法人河北医療財団 河北総合病院
- 2017年〜:社会福祉法人 仁生社 江戸川病院
- 2021年〜:社会医療法人大雄会 総合大雄会病院
- 2024年〜:かのう整形外科 開院
- 資格・所属学会
- 日本整形外科学会専門医
- 日本整形外科学会認定 運動器リハビリテーション医
- 日本整形外科学会認定 リウマチ医
- 日本整形外科学会認定 スポーツ医
- 日本内科学会認定 内科医
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